椎間板ヘルニアの誤解について

腰骨は5つの腰椎と1つの仙骨そして椎間板というクッションから出来ています。

 この椎間板はアンパンのような構造をしており、外側のパンの部分を繊維輪と言います。 その中に髄核という粘性のアンコが入っています。これらの後方には脊柱管という管が腰骨の中にあって、ここを神経が通っています。 このパンの部分が裂けてアンコが出っ張り、それが後ろにある神経に悪さをして痛みやしびれ、麻痺などを起こすのが椎間板ヘルニアです。

痛みの原因や起こり方がすべて分かっているわけではありません。 しかしこれを知ることは、椎間板ヘルニアを治す上でとても重要なことなのです。

 興味深い実験があります。手術の際に、椎間板ヘルニアのあった所に小さな風船を入れておき、麻酔から覚めた後に膨らませると、痛みを起こします。 しかし、ヘルニアのなかった神経根の所では患者さんはしびれやだるさを感じますが、痛みは起こらなかったのです。 つまり単なる圧迫では、痛みは起こらないのです。

 普通、体の一部分を押しても痛くはないでしょう。 しかし、叩いたりしてその部分が赤く腫れ上がると、触っただけでも痛くなります。このようにヘルニアでは単に神経を圧迫しているだけではなく、その部分に炎症が起こって痛くなっているのです。 炎症がなくなれば、痛みはひいて、単なるしびれや、だるさだけになることが予想されます。これならば我慢できるでしょう。 ですから椎間板ヘルニア治療の主眼は、出っ張ってしまったヘルニアを引っ込めることではなく、その部分の炎症をとることなのです。


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